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説明が出来る技術者でなければなりません

101027cimg2787  平成22年10月27日(水)、ホテルパールガーデン(旧 ウェルシティ高松)にて行われた、(社)土木学会四国支部の主催による「土木の日記念講演会」に参加してきました。

 土木の2文字を分解すると十一十八になることと、土木学会の前身である「工学会」の創立が明治12年(1879)11月18日であることから、11月18日を「土木の日」と制定しました。また、続く土木学会の創立記念日である11月24日までの1週間を「くらしと土木の週間」として、土木学会本部・全国8支部では、一般の皆様を対象とした様々なイベントや活動が展開されます。

 この一環として行われたのが、今回の「土木の日記念講演会」です。

○平成22年度土木学会選奨土木遺産 認定証授賞式

101027cimg2783  講演会では、平成22年度土木学会選奨土木遺産に認定された八幡浜市の明治橋について、認定証授賞式が行われ、明治橋の特徴についての紹介の後、八幡浜市の橋本副市長に認定証が授与されました。

 明治に木製トラスが作られたことから「明治橋」がスタートし、昭和の始めに今のコンクリートアーチ橋へと造り替えられたそうです。上弦コンクリートアーチ橋で、私の古里にある三架橋も同じような趣であることを思い出しました。

○講演

101027cimg2790  講演は、高知工科大学教授の草柳俊二先生による「建設産業が国民の信頼を取り戻すために何をすべきか ~『契約に基づくプロジェクト遂行』への移行~」です。

 我が国の建設投資額の変遷や、建設産業の基本理念、さらには世界の常識と日本の常識の違い、専門技術者に求められる能力などについて講演いただきました。

・建設契約の特徴は、テレビやラジオのように完成している”完全物品"を取引する契約と異なり、契約内容がこれから履行され、契約条件が変化することを前提に結ばれる”想像物品"を取引する契約である。そのため、契約の履行には専門家の参画がなければ、当初の目的としているモノが完成し、引き渡されるか確認が取れない。

・日本と欧米の技術者の能力の違いは、日本の技術者は「現場合わせの技術力」が高く、欧米の技術者は「事前整合の技術力」が高い。日本の技術者は応用力で売ってきたので、プロセスとしては危なっかしく感じられる。この差が現場で葛藤を生む。

・国際建設市場に出ていける企業を育成するには、国内市場でプロジェクト遂行の総合力を競わせる場を提供し、マネジメント能力と技術力の向上が必要である。

・技術者は、デザインが何であるかの説明が出来ないといけない。なぜ橋がいるのか、なぜこの形式なのか、そんな説明が出来なければならない。

そんな話を聞くことが出来ました。

 また、質疑の中では、

・今の小学生の教科書の中にインフラという言葉は無く、「インフラとはなんぞや」を学ぶ機会がない。お母さんを説得することばかりになっていないか。こんなに喜ばれている建設産業。兄貴が誇りに思っていれば、弟もそう感じる。川やため池など、地域に役立っているいろいろな歴史や事例がある。小学生自身がインフラについて学ぶ場となる「4Kの会」を行っている。

・「品確法」 会計法があったので、こんな法律を作り応用動作で逃げてきた。しっかりとダメな部分は「法律を直していくべき」ことを言うことが必要。「法令を遵守しましょう」と、法律を守るのは当然のことで、法律と実体の乖離を「学」が言わないといけない。官は法律に従って仕事をする必要から言えない。

など、豊富な建設現場での経験と、研究者・教育者という立場から、迫力を持って回答いただきました。

 技術者は、ちゃんとしたモノを作ることはもちろんのこと、なぜその構造物がいるのか、その方法や構造でなければならないのか、そんな説明が出来なければならない。

 そんなことを常に意識しながら、技術力の向上に努めなければなりません。

 講演会の様子をまとめてみました。
「101027_dobokunohi.pdf」をダウンロード (234KB)

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