平成24年10月21日(日)、サンポートホール高松で行われた 「あの日を忘れない・・・」プロジェクト「被災地を思い、被災地に学ぶフォーラム」in 香川 に参加してきました。
東日本大震災の映像を見て、何かをしなければと3日後には辞表を出した鹿児島の中島響さん。
南三陸町での活動をしながらも、昨年の3月11日を境に被災地にきていた支援物資や義援金、ボランティアの数が減ってきたことに、残念な気持ちとなり、「あの日を忘れない・・・」プロジェクトを始めたそうです。
まずは鹿児島で開催し、次は、ここ香川での開催。
高松市消防局のナカイさんと高松市消防局の方々がたくさん南三陸町に来てくれたことがきっかけだそうです。
プログラムは次のとおりです。
<午前の部>
○オープニングセレモニー まきのめぐみ(南三陸町「復興応援大使」)
栗林小学校5年生 ソーラン節
○実行委員長挨拶 中島響
高松市長挨拶 大西秀人市長
○VTR上映
○子どもフォーラム「みんなでかんがえよう、あの日のこと、これからのこと」
<午後の部>
○開会挨拶 岸本泰三(きしもとたいぞう)高松市副市長
○VTR上映
○基調講演 南三陸町 副町長 遠藤健治
○フォーラム「被災地を思い、被災地に学ぶフォーラム
~未来ある子供たちのために、いま私たちに出来ること~」
出演者:遠藤健治(南三陸町 副町長)
岸本泰三(高松市 副市長)
岡本 利(香南中学校 教諭)
田坂綾子(読売新聞社 記者)
コーディネーター:磯打千雅子(香川大学准教授)
<午前の部>
オープニングセレモニーは、南三陸町出身で南三陸町復興大使を務めるまきのめぐみさんの歌、高松市栗林小学校5年生のソーラン節です。
続いて、子どもフォーラム「みんなでかんがえよう、あの日のこと、これからのこと」では、南三陸町から5名の子どもたちが来てくれ、高松の子どもたちと、メッセージの交換や質疑が行われました。
南三陸町の子どもたちからは、
・食べ物が無く、グミか飴を一つずつ分けて、夜をしのいだ。
・町はガレキだけで、以前の面影はなかった。
・サッカー、部活でドラムをしていたが、何も出来ず、いらいらしていました。
・カーテンを毛布代わりに使いましたが、東北の寒さが体力を奪う。
・なんで、俺の家は無いんだ。どこにぶつければいいのかの、悔しさで、笑っていました。
など、震災直後の恐ろしさ、悔しさ、危機的状況で人は思考が止まってしまうことなどが紹介され、
・避難所での生活が続き、しだいに全員の絆が強くなっていくことを感じた。
・支援してくださった方への恩返し。以前の暮らし、以前にもました暮らしが戻ってきていること、それを伝えること。
・意見交流会、震災を後世に伝える取り組みをしている。大きな責任と喜びを感じている。これは次の世代を担う私たちの使命だと思う。どうか、この災害を忘れないでください。自分の生活を振り返り、いつくるかわからない災害に備えてください。
と、絆により今回の災害を乗り越えられたこと、被災した自分たちだからこそ出来ること、しなければならないことをお話しいただきました。
質疑では、「小学校の私たちが、普段から気をつけておくことは何ですか」の問いに、すぐに避難出来るようにまじめに避難訓練をすること、「津波てんでんこ」のように、小さい子からお年寄りまえがわかる標語があるといい、と回答いただきました。
最後は、南三陸町と高松のみんなで、「勇気100%」を歌って終わりました。
<午後の部>
南三陸町副町長の遠藤健治の基調講演は、「多くの方々からの支援を受け、被災された町民も、仮設住宅の生活にも、一定の落ち着きを。しかし、復興と感じられるにはまだ遠い」との言葉で始まり、
・南三陸町の紹介
・被害の概要
・災害直後の対応
・地域の復興・復興の理念
についてお話しいただきました。
復興に向けた課題として、①仮設暮らしの長期化、②マンパワーの確保、③人口の流出 スピードが特に重要、④鉄道(JR)の復旧 BRTによる仮復旧をあげられ、「長い道のり、末永く見守っていただければ、ありがたい。皆さんが防災について考えるきっかけになれればありがたい。遠く、香川の地から、被災地のことを気にかけてくれていることを町民に伝える」との言葉で締めくくられました。
引き続いてのフォーラムでは、「未来ある子どもたちのために、今、私たちに出来ること」を副題に、磯打千雅子(香川大学准教授)さんのコーディネートのもと、高松市の支援状況、新聞記者として感じたこと、教育現場での取り組みなどが紹介されました。
大人たちの責任は何だろうか、今私たちに出来ることなどについて意見が交わされました。
遠藤副町長からは、「空振り三振はしても、見逃し三振はするな。危機管理文化がなかったら、今回の震災で、どれほどの犠牲があったのだろうかと考えると、末恐ろしい」と。
磯打さんからは、「未来ある子供たちのために、今、私たちに出来ること。今日すぐに出来ることは、南三陸を忘れないこと。忘れないとは、応援団になること。今の子供たちが大人になったときに起こるであろう南海地震に際して、香川応援団として南三陸町の方々に応援してもらえる」と、締めくくられました。
香川県実行委員長の大須賀誠さんの閉会挨拶では、
・「学ぶ」とは、「変わる」ということ。そのことを取り込んで、自分自身がどう変われるかが「学ぶ」である。
・南海トラフの巨大地震の32万人の死者のシナリオを変えることが出来る。
・フォーラムは終わりますが、やがて来るその日に備えたいと思います。
と締めくくられました。
フォーラムの様子をまとめました。
「121021_am.pdf」をダウンロード (638KB)
「121021_pm.pdf」をダウンロード (693KB)
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