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2013年4月

宅地の液状化対策は 表層付近の地盤調査が重要

130426cimg2073 平成25年4月26日(金)、高知県立県民文化ホール グリーンホールで、高知県地質調査業協会と公益社団法人高知県土木施工管理技士会の共催、高知県と高知市の後援で行われた 高知県地質調査業協会「技術講習会」 に参加してきました。

 作業着姿の多くの技術者の参加のもと、下記の二人の講演が行われました。

○「東日本大震災の津波被害と南海トラフ巨大地震の備え」
  講師:東北大学災害科学国際研究所 災害リスク研究部門津波工学研究室 今井健太郎助教

○「液状化の調査方法と対策工法について」
  講師:応用地質株式会社 東日本統括支社 エンジニアリング本部 地盤解析部 副部長 澤田俊一(工学博士、技術士)

 

130426cimg2078 東北大学の今井健太郎さんからは、

・関東大震災における死因 火災が9割 → 延焼防止のため緑化などの整備が進められた
 阪神淡路大震災 建物倒壊による圧死が8割 → 建物基準の改訂がなされた
 東日本大震災 溺死が9割 → 早期避難しかない
・液状化による砂の噴出 吹き出した砂が津波で内陸側に移動し、堆積している → 津波痕跡物から年代を推定することに誤差を生じさせる。

など、東日本大震災の特徴や、津波研究の今後の展望について説明いただきました。

 

130426cimg2084 応用地質株式会社の澤田俊一さんからは、液状化のメカニズムや液状化被害、液状化対策、新しい液状化調査技術などについてお話しいただきました。

 東京湾沿岸部の被害の事例として浦安市の状況から、

・本震では液状化しなかった地盤が、80ガルの余震で液状化に至る。
・「30年前の埋め立て地」は、安定化し、液状化しないと考えられていたが、今回の地震で液状化した。
・東京ディズニーランド 建物を建てるためにサンドコンパクションパイルで対策をしていたところは沈下していない。

といったことや、宅地における液状化対策の考え方について、

・構造物が軽いことから、液状化層の上部に非液状化層があると被害が生じにくい → 表層に厚さ4m程度の非液状化層があれば住宅に被害が生じない。
・表層付近の地盤調査が重要。

といった話を聞くことが出来ました。

 技術講習会の様子をまとめました。
「130426_chisitsu.pdf」をダウンロード(406KB)

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液状化とは つき合っていかねばならない

130421cimg2070 平成25年4月21日(日)、坂出グランドホテル 1階 ルクソールで国土交通省 四国地方整備局 高松港湾・空港整備事務所の主催による「沿岸部の液状化を考える講演会」に参加してきました。

 定員300名の会場は、天気の良い日曜日の午後という時間帯にもかかわらず、多くの方々が参加されていました。

 プログラムは次のとおり、行政報告と2題の講演です。

○主催者挨拶 高松港湾・空港整備事務所長 久米英輝(くめ ひでき)

○来賓挨拶、来賓紹介、お祝いメッセージ披露

○行政報告「港湾における地震・津波対策の取り組み」
  国土交通省 大臣官房 技術参事官 大脇崇

○講演①「浦安市の液状化被害の状況と復旧・復興について」
  千葉県 浦安市 副市長 石井一郎

○講演②「液状化の予測と対策」
  徳島大学大学院 教授 渦岡良介(うずおか りょうすけ)

○ご感想

○閉会挨拶 四国地方整備局 次長 丸山隆英

 

130421cimg2071 来賓挨拶では、多くの国会議員の方々や、地元香川県副知事、坂出市長からも挨拶をいただきました。

 南海トラフの巨大地震の際には、香川県は高知県や徳島県の復旧の拠点とならなければなりません。また、港湾施設は、復旧活動や復旧資源の搬入機能として重要な役割を担っており、津波への備えと共に、地震時の液状化対策も必須の課題です。

 

 千葉県 浦安市 副市長の石井一郎さんからは、「浦安市の液状化被害の状況と復旧・復興について」と題して講演をいただきました。

 まずは映像により、地震の最中に地面の亀裂が開いたり閉じたりしながら揺れ続け、そのうち泥水が地面から噴き出してくる様子が紹介され、下水道や住宅の被害について説明がありました。

 下水道が被災したことから仮設トイレを用意したものの、大半が和式トイレのため、お年寄りには使いにくく、ビニールシートで囲った仮設トイレはプライバシーの保護など、女性の使用には課題があったことそうです。

 そこで、自宅で使用してもらおうと携帯型トイレを30万セット配布したり、仮設トイレにもしっかりとした囲いを追加することが行われたそうです。

 下水道の応急復旧は、東京都下水道局の協力もいただきながら懸命に作業が進められたものの、電気やガス、水道に比べて最も遅く、地震から1ヶ月以上が過ぎた4月15日だったそうです。

 また、地面が大きく水平に移動していることから、道路や宅地の「境界確定作業」、「水準測量」が必要となっており、用地の境界を元に戻すのか、現況から再協議を行うのか、境界再確認作業が必要な対象が1万3千筆にもおよぶそうです。

 「液状化」は、「津波」のように人命や家屋を倒壊させるような重篤な災害を起こさせないが、広範囲にインフラや家屋に被害を発生させる。起きた際には、行政も住民も速やかな復旧が出来るよう、普段から備えておくことが重要。

 そんな言葉で講演を締めくくられました。

 講演会の様子をまとめました。
「130421_ekizyouka.pdf」をダウンロード(439KB)

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南海トラフの巨大地震のことを「我が事」と思って

130417cimg2032 平成25年4月17日(水)、サンポートホール高松の5階 第2小ホールで、四国防災共同教育センターの主催で行われた、「四国防災・危機管理特別プログラム 開設記念講演会 災害対策に必要な日常連携と課題」に参加してきました。

 南海トラフの巨大地震をはじめとする自然災害に対する危機意識や防災への関心が高まりを見せる中、香川大学及び徳島大学は、香川県、徳島県の協力のもと、行政・企業人、医療関係者、教員など、地域防災を担う方々を対象として、社会が必要とする実践力を備えた防災・危機管理の専門家養成を目的とした「四国防災・危機管理特別プログラム」を新たに大学院に開設しました。

 本日の講演会は、このプログラムの開設記念として行われたもので、プログラムは次のとおりです。

○特別プログラム概要紹介
  白木渡(四国防災共同教育センター長)

○記念講演1「災害対応に必要な日常連携とネットワーク」
  河田恵昭(関西大学理事、社会安全学部社会安全研究センター長・教授、阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター長)

○記念講演2「東日本大震災におけるDMAT活動、被爆医療活動における指揮調整の課題」
  近藤久禎(一般社団法人日本集団災害医学会評議員、国立病院機構災害医療センター臨床研究部 政策医療企画研究室長、厚生労働省医政局災害医療対策室 DMAT事務局次長)

 

 四国防災共同教育センター長の白木渡さんからは、四国防災・危機管理特別プログラムの目的やこれまでの経過の紹介があり、「四国5大学の大学間連携で、防災の専門家の育成を行いたい。そのために、四国防災・危機管理教育研究コンソーシアム(仮称)を立ち上げたい」と締めくくられました。

 

130417cimg2051 防災対策推進検討委員会などを務められ、南海トラフ地震の想定などにも携わられている河田恵昭さんからは、これまでの地震災害や今回の東日本大震災を通して、来るべき南海トラフの巨大地震に対して、どう備えればいいのか、大阪のまちづくりや東北大学の今回の大震災に対する対応のまずさなど辛口の指摘から、日常の連携、県と県の連携、大学の連携、リダンダンシーなどについて、103分間にわたりお話しいただきました。

 講演では、

・行政は、個人住宅の耐震補強は、「個人財産を国が補強することになるのでダメだ」と言う → 東北の仮設住宅は1軒500万円である。 → 行政マンは考えを変えろ。

・日本の歴史学者は人為的なことで歴史が作られていると思っている。自然災害の影響が認知されていない。

といった話などもあり、「南海トラフの巨大地震のことを「我が事」と思って」と締めくくられました。

 

130417cimg2055 DMAT事務局次長でもある近藤久禎さんからは、DMATがどのように出来たのか、どのような活動をしてきたか、被爆医療などについてお話しいただきました。

 災害では、「需要」と「資源」がアンバランスとなり、資源の出し入れだけでは課題は解決しない。資源をいかに効率的に活用するかが必要。また、情報共有が連携のキーとなり、日常違う指揮命令系統の間での情報共有が必要。

 行政は公平を優先する。搬送先が全て決まらないと搬送を開始しない → 助かる命が助けられない。搬送先が決まらず、搬送用のバスの中で多くの方がなくなられた。

 全く同じ災害は二度はない。しかし、同じような災害は起こる。応用のためには災害事例を知ることが必要。

 「南海トラフの地震のためには、過去の事例の蓄積が必要」と、締めくくられました。

 講演会の様子をまとめました。
「130417_kouen.pdf」をダウンロード(600KB)

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うつ病は 誰でもなりうる病気です

130414cimg2007平成25年4月14日(日)、四万十市立中央公民館 大ホールで、幡多けんみん病院の主催による「幡多ふれあい医療公開講座」に参加してきました。

 幡多けんみん病院が、市民向けに行っている公開講座で、開催地も四万十市、宿毛市、黒潮町など幡多の各地で開催し、今回で第13回目となっています。

 プログラムは次の通りで、「うつ病」と「認知症」がテーマです。

 ○うつ病からの回復 -体の病気とうつ病-

  講師:聖ケ丘病院 院長 三浦星治

 ○認知症の最近の治療について 認知症の鑑別診断と標準治療について

  講師:渡川病院 院長 吉本啓一郎

 

130414cimg2008 まずは、聖ケ丘病院 院長 三浦星治さんによる「うつ病」の話です。

・リンカーンやチャーチル、スピルバーグ、ヘミングウェイ、ライト兄弟、ダーウィン、山口瞳、中島らも、高島忠雄さんもうつ病だったそうで、うつ病は珍しい病気ではなく、誰でもなりうる病気です。

・心と体は相互に関連し、身体疾患はうつ病を引き起こしやすくするし、うつ病は身体疾患からの回復を遅延させます。

・うつ病の治療は、「精神療法」と「薬物療法」の二本柱で行われます。

・ストレスなどによって、セロトニンやノルアドレナリンなどの脳内の神経伝達物質の働きが悪くなり、それによってうつ病が起こるといわれています。そのため、神経伝達物質のバランスを薬物で整えることも有効です。

・うつ病はよく見られる病気で、効果的な治療法が存在する。

・意志薄弱や怠惰のせいではない。患者は最大限の努力をしている。

・うつ病の自殺率は10~15%というデータもあり、特に初期や回復期には自殺する元気が出来ているときで、不自然な落ち着きや笑顔などの自殺のサインを見逃してはいけない。

 そんな話を聞くことが出来ました。

 

130414cimg2028 二人目は、渡川病院 院長 吉本啓一郎さんの「認知症」の話です。

・現在認知症治療に求められていることは、

 ①適切な早期診断(認知症か否か・認知症のタイプはどれにあたるか)

 ②初期からの適切な治療と介護との連携(認知症は長い期間の病気)

 ③精神症状・行動障害(BPSD)のち量、身体合併症の治療

で、薬をうまく調整すれば、9割以上の方はBPSDを治せる

・診断、治療で、まず大事なのは、認知症か否かの診断です。

・鑑別するのは、「正常老化によるもの忘れ」「うつ病」「せん妄」の三つです。

・正常圧水頭症(歩行障害が目立ちます)や慢性硬膜下血腫(急な歩行障害及び認知症症状の発症)は、外科的に治療可能な認知症です。CT・MRIで疑われたら、、すぐに脳外科の先生に紹介してもらいます。

・科的に治療されない「認知症」であると診断されると、次の段階では、症状の特徴と心理検査や画像検査などから、①血管性認知症、②アルツハイマー型認知症、③レビー小体型認知症、④前頭側頭型認知症の4つのタイプについて鑑別診断を行い、治療します。

 そんな話とともに、認知症患者さんに現れる症状として、「取り繕い反応」や「物盗られ妄想」「幻視」「妄想」についてその内容や対処の方法について紹介いただきました。

 

 公開講座の様子をまとめてみました。
「130414_iryou.pdf」をダウンロード (520KB)

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