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2017年7月

徹底的な訓練と計画の応用で 想定外を想定にする!

170721p1130480平成29年7月21日(金)、香川大学 研究交流棟5階 研究者交流スペースで行われた「香川地域継続検討協議会 第27回勉強会」に参加してきました。

話題提供者は、海上自衛隊 元横須賀地方総監(海将)で、香川大学客員教授の高嶋博視(たかしまひろみ)さんです。東日本大震災の際に、海上自衛隊の活動全体を指揮した方です。

東日本大震災の教訓(From THE SEAの現場から)」と題して、

・陸・海・空の部隊を「災統合任務部隊」のもと、一つの指揮命令系統下に置く。
・平時における有事 ← 戦争レベルに限りなく近い作戦
・海自が持つ資源の最大活用、幕僚調整の結節を少なくする。
・忘れてはいけないことは「ゴールは何か」ということ。とにかく、1秒でも早く国民を救うんだ!
・見栄も外聞も無く、取り得ること、最大の努力をする。

と、有事(戦争)に限りなく近い状況と、それにどう対応、指揮したのかをお話しいただきました。

その中では、

・規則は人が作ったものであり、何がゴールかを考え、変えればいい。 ← 人命に関わる事態にどう対処するか。
・孤立地域の生活支援:入浴、入浴中の時間を使って携帯電話の充電や洗濯、肩もみ、歯の治療、・・・ ← 何をやるべきか、どうやるかは、現場の指揮官が判断、実行していった。
・とにかく訓練。想定外を想定にしなければならない。
・訓練をすれば、自分の持っている計画の課題が見えてくる。それを見直し、また訓練。

など、想定外を無くすための訓練の大切さ、有事の際には平時とは異なる判断、行動が求められることもお話しいただきました。

質疑では、隊員の安全メンタルケアの話し、規則訓練計画の意義、民間を巻き込むことの大事さなどについても説明いただきました。

計画をつくり、訓練し、見直し、想定外を想定にしていく。
備えることの大事さを、具体的に説明いただいた2時間でした。

勉強会の様子をメモにまとめました。
「170721_benkyoukai.pdf」をダウンロード(232KB)

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せっかくの情報を活かすには 事前の勉強や備えが必要です

170708_h290708平成29年7月8日(土)、高知市文化プラザかるぽーと 11階大講義室で行われた「高知県地震防災研究会・2017年度講演会」に参加してきました。

この会は1995年、高知工業高等専門学校の吉川先生を会長として始まり、今年で22年目になる。

そんな和田代表の挨拶から始まりました。

プログラムは次のとおりです。

○開会挨拶 高知県地震防災研究会 代表 和田達夫(技術士)
○「超低周波センサーで自然災害の襲来に備える ~高知県内で進む実証試験~」 
  高知工科大学 システム工学群(電子工学専攻、光エレクトロニクス専攻、航空宇宙工学専攻)山本真行(理学博士
○「平成28年度熊本地震の木造家屋被害に影響を及ぼした観測された強震動の特徴と、被災後の住宅再建に必要な計測技術について」
  高知工業高等専門学校 池田雄一(工学博士)
○「南海地震は予知できる!」
  地震研究家 山本武美
○全体質疑応答
○総括挨拶 高知県地震防災研究会 名誉顧問 吉川正昭(工学博士)
○閉会挨拶 事務局長 小川修

高知工科大学の山本真行先生からは、インフラソニック(超低周波)による自然災害の観測、津波の観測についての話しです。

科学とは、技術とはなんだろうか?

理学部出身なので、理学部の人は「おもしろいね」と言ってくれるが、工学部の学生の8割以上は「それ、何の役に立つんですか」と聞かれる。工学部の学生は一般の人の感覚を代弁してくれている。

現代の科学技術伝承における問題点として、

 ・多くのブラックボックスが増えた。 → ラジオを分解してもコンデンサやトランジスタは見えず、ICチップが一個あるだけ、回路図を復元するなんて事は出来ない。
 ・実際に開発した世代が去り技術だけが残る。
 ・バーチャルリ・アリティが進み、リアリティを知らなくなった。
 ・日本が安全になりすぎて、海外に行きたがらなくなった。

など、科学と技術についてのイントロののち、インフラサウンド(超低周波音)の話しです。

 ・大きなものが動けば超低周波音が発生する。
 ・地球上の破壊現象で発生し、遠くまで伝わる性質がある!
 ・音は音速で伝わるので、津波よりも先に情報が届く!
 ・空気の粘性は、周波数の2乗に反比例する → 1KHzの音が1mで減衰する量が、0.1Hzだと10万Km必要。
 ・ひそひそ声は近くにしか聞こえないが、爆発音は遠くまで届く。
 ・遠雷 「ドカン」の音が「ゴロゴロゴロ」の音の成分しか届いていない。
 ・GPS波浪計などの既存の津波検出装置は、いずれもコストがかかる、メンテナンスが難しい、誤作動、小津波でも警報を鳴らす(狼少年)

そんなインフラサウンドの特徴が津波観測にも活かせるのではと、黒潮町で実証実験が始まっています。また、インフラサウンド研究室が今年の4月に出来た。生データを公開する準備を進めており、夏頃には公開できるのでは。

とても興味深い一時間でした。

次は、高知工業高等専門学校の池田雄一先生の、熊本地震の被害と住宅再建についての話しです。

 ・被害の大きかった木造住宅は、接合部がしっかり止まっていない。釘だけで、接合金物がなかった。接合金物は2000年以降義務、それ以前は努力義務。フラット35などの融資を受けるには、接合金物の使用が必要だったので、2000年以前の建物でも接合金物が使われていた。
 ・板、防水シート、その上にラスを張りモルタル仕上げの家がほとんど壊れていた。
 ・住宅再建には1500万円ほどの費用が必要だが、被災者生活再建支援金、義捐金、復興基金助成だけでは半分ほどにしかならず、自己資金、地震保険への加入が、住宅再建の大きな分かれ道となる。

そのような話しののち、「地震保険も入っておらず、自己資金もない人は、全壊の家屋を壊してしまうと、再建が困難となる。 → 被災家屋の補修の可否を簡便に判定できないか。建物の傾斜角から、被災家屋の補修の可否を迅速に判断できる技術は無いか」と締めくくられました。

                        
地震研究家の山本武美さんの「南海地震は予知できる!」では、

 ・これまでの9回の南海地震を並べた場合、4つの断層が存在すると考えられ、これらから推定される次の南海地震の発生時期は、2017年11月2018年5月頃
 ・これまでの地震でも、地盤異常隆起や“すずなみ”が観測されており、地震の予知は可能である。

宇佐の潮位観測のデータや画像など、ホームページで公開されているので、「みなさまに(情報を)伝達できても、事前知識が無いとその情報を活用できない」と締めくくられました。

様々な研究や観測が行われ、情報が提供されても、それを受けた私たちが行動に移さなければ、何も無かったと同じです。

正しく情報を活かせるよう、事前の勉強や備えが必要です。

研究会の様子をまとめました。 「170708_zisin.pdf」をダウンロード(221KB)

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