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災害時には利用可能な”空間”も限定される

平成29年12月22日(金)、香川大学幸町キャンパスで行われた「香川大学四国危機管理教育・研究・地域連携推進機構セミナ-」に参加してきました。

講師は、阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター 主任研究員の本塚智貴さん。テーマは「災害対応のための空間リソースの評価」です。

熊本地震の際には4月14日から現地に入り、熊本県庁や益城町の災害対策本部の14日朝の状況、16日本震直後の状況などを紹介いただきながら、災害対策本部の「空間」、「場」として必要な機能を説明いただき、現地では次のようなことが起こっていました。

・熊本県庁では、4月15日には人や物資を益城町に集中させる準備が進み、1ヶ月もすれば一段落できると考えていた。
・携帯電話が使用できたので、近くの避難所の情報を得ることが出来、「ジャニーズが炊き出しに来る」との情報で隣の避難所に行ったり、流浪する避難者(車)が出てきた。 → このような人は避難所運営に関わらず、運営に支障が
・災害対策本部では議事録を作ることがされていなかった。
・課題を明らかにしていない、将来のことを考えられていなかった。

益城町役場では、

・本庁舎は非常用電源・電話が使えず、保険福祉センターへ本部を移すことに。
・災害対策体制は避難所対応に追われ、物資と衛生、道路啓開、役場機能の班しか置けなかった。
・4月16日 本震発生 建物が使用可能かを判断できる専門家不在で、庁舎を移す事を検討を。
・益城町役場大会議室 約130m2 益城町の人が居ない災害対策本部。他のプロジェクトチームは、男女共同参画センターなどの施設に分散して置かれた。活動する場は出来たが、活動や情報を共有することに支障が。
・避難所として使う体育館にも被害が発生し、本震後は避難所が不足した。

といった状況とのこと。

益城町では、全職員が避難所対応にあたっていた事から、役場機能が停止していたことが指摘されているが、

・住民の方からは役場職員へのクレームはない。区長さんや地域住民が避難所運営をすることの認識が無い状況では、役場職員が避難所対応をする対応は間違いではなかった。
・区長さんは通行証で物資の引き取りに来てくれた。区長はガソリン代も車費用、労務費用、電話代も何も言わずに対応してくれた → かけ放題のプランにしておくべきだった
・本部空間の移転ということ、情報共有という点ではうまくいっていなかった。
・公的な空間で確保が出来ないとき、民間や地主さんと交渉を速やかに開始した。 → 空間マネジメントの観点からは評価できる

災害現場はそれぞれ違い、ベストな対応も、災害や場所それぞれで違ってくる。
そのベストをより良いものにするためには、備え訓練キーパーソンが大事だと感じた90分でした。

セミナーの様子をまとめました。
「171222_seminar.pdf」をダウンロード(200KB)

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