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5,400文字 手書きで書きとおしです

120805cimg7905  今日8月5日(日)は、平成24年度技術士第二次試験の筆記試験の日でした。

 四国の試験会場となる香川大学には、暑さ対策と、6時間にわたる手書きによる論文作成に対応できるよう、半袖の軽装の受験者が続々と集まってきています。

 香川大学の試験会場はエアコンが装備され、快適に試験を受ける事が出来ます。

 私が最初の技術士(建設部門の土質及び基礎)にチャレンジした平成4年の早稲田大学の試験会場は、エアコンの無い大講堂だったことから、タオルを使いながらも、回答のための原稿用紙が汗でシワシワになったことを懐かしく思い出します。

 あの当時は、エアコンが要らないほど涼しいであろう北海道などや、必ずやエアコンが完備されているであろう沖縄などの試験会場を、うらやましく思っていました。

 今年の建設部門(建設環境)の試験問題は、次のような内容でした。

 

平成24年度技術士第二次試験問題【建設部門】

○必須科目(10時~12時30分)

Ⅱ 次の2問題のうち1問題を選んで解答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚以内にまとめよ。)

Ⅱ-1 東日本大震災を契機として、あらためて防災・減災対策のあり方が議論されている。 建設部門に携わる技術者として、我が国の防災・減災に向けた社会基盤の整備における課題を3つ挙げ、その内容を説明せよ。また、それらの課題に対し、防災・減災に向けた今後の社会基盤の整備を具体的にどのように進めていくべきか、あなたの意見を述べよ。

Ⅱ-2 地球環境問題への対応として、(1)低炭素社会の実現、(2)自然共生社会の実現・生物多様性の保全、(3)循環型社会の形成が求められている。我が国の最近の社会情勢の変化も踏まえ、地球環境問題に対し、建設分野として取り組むべき課題を上記3つの視点からそれぞれ挙げ、その内容を説明せよ。また、前記のそれぞれの課題に対して、解決に向けたあなたの意見を述べよ。

 

○選択科目【9-11】建設環境(1時30分~5時)

Ⅰ 次の10問題のうちAグループ(Ⅰ-1、Ⅰ-2)及びBグループ(Ⅰ-3~Ⅰ-10)から各1問題、合計2問題を選択し、解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

Aグループ

Ⅰ-Ⅰ 建設分野においては従来から建設リサイクルの推進、環境物品の調達等の取り組みを進めてきている。しかし、社会資本投資の減少等に伴い、これらのリサイクル材の受入も困難になってきている。一方で、産業活動に伴って発生する鉄鋼スラグ等産業副産物の有効利用を図るための新たな枝術開発や資材としての用途の拡大が進められている。
(1)このような状況の中で、建設分野においてリサイクルを推進する上での課題を3つ挙げ、 その内容を説明せよ。
(2)それらの課題のうち1つを選び、その課題にどのように取り組むべきか述べよ。

Ⅰ-2 建設事業での生物多様性の保全を図る取組について、以下の問いに答えよ。
(1)建設事業(道路、河川、港湾等)を1つ挙げ、当該事業の特性を踏まえて、生物多様性の保全を図る上で掲げるべき目標を2つ述べよ。
(2)(1)で掲げた2つの目標の実現に向けた具体的な取組と課題について、3つ挙げて説明せよ。

Bグループ

Ⅰ-3 道路における環境への取組について、以下の問いに答えよ。
(1)沿道環境(大気質汚染と騒音)の近年の状況と課題について、概要を述べよ。
(2)我が国において、省エネルギー化や低炭素型社会の構築が強く求められていることを踏まえ、道路において取り組むべき対策を3項目挙げて説明せよ。その際、 沿道環境改善への効果もある場合はそれにも言及せよ。

Ⅰ-4 ヒートアイランド現象について、以下の問いに答えよ。
(1)ヒートアイランド現象の緩和を図る上で、都市の緑地や緑化の果たす役割を述べよ。
(2)(1)の役割を踏まえ、都市の緑地の保全と緑化を推進していくための対応策を3つ取り上げて、あなたの意見を述べよ。

Ⅰ-5 都市に関する以下の問いに答えよ。
(1)拡散型都市構造を放置した場合に生じる問題点を建設環境の観点から3つ挙げ、その内容を説明せよ。
(2)集約型都市構造の実現方策について、都市交通及び市街地整備、各々の観点からあなたの考えを述べよ。

Ⅰ-6 低炭素社会化の観点から、公共交通・輸送機関として鉄軌道の役割が期待されている。このことに関し、以下の問いに答えよ。
(1)CO2排出量において鉄軌道が他の輸送機関に比べ優れている理由を述べよ。
(2)鉄軌道におけるCO2排出量削減の取組の内容を3つ述べよ。
(3)公共交通・輸送機関として鉄軌道の利用をより促進するための取組を2つ挙げ、その推進に当たっての建設分野における課題と対応策について述べよ。

Ⅰ-7 港湾及びその周辺における地球温暖化対策について以下の問いに答えよ。
(1)港湾及びその周辺における地球温暖化緩和策を3つ挙げ、それぞれについて現状と課題を述べよ。
(2)そのうち1つの緩和策について普及を図る方策についてあなたの考えを述べよ。

Ⅰ-8 風力発電が「自然景観」と「野生生物」とに及ぼす影響についてそれぞれ概説し、各々その対応策についてあなたの考えを述べよ。

Ⅰ-9 平成20年3月「中小河川に関する河道計画の技術基準」が通知された。この中には、流下能力を増大させるために必要な河積の拡大は、原則として川幅の拡幅により行うこと、そして、河床掘削はできるだけ避けることが示されている。そこで、以下の問いに答えよ。
(1)川幅を拡幅すること、河床掘削を避けることにより期待される河川環境に対する効果を2つ述べよ。
(2)このような改修を行った際に生じる問題点を1つ挙げ、その解決方法を述べよ。

Ⅰ-10 河川水中に存在する有機物が流下に伴い減少することは“自然の浄化機構”や “自浄作用”として広く知られている。そこで、以下の問いに答えよ。
(1)河川における自然の浄化機構を説明せよ。
(2)河川における自然の浄化機構を高めるための方策を3つ挙げ、その内容を述べよ。

 いかがですか。これらの問いに対して、手書きで、制限時間内に、所定の文字数でまとめ上げる必要があります。

 ワープロでの作文に慣れている今、容易には修正や入れ替えの出来ない手書きによる論文作成は、なかなか難しいものです。書くことが出来ない漢字もチラホラあり、ワープロに頼りきっている日々の仕事のやり方に反省です。

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未来は予測するものではなく つくるもの

111029cimg9184  平成23年10月29日(土)、香川大学工学部講義棟で行われた「香川大学工学部オープンキャンパス 特別講演会」に参加してきました。

 工学部のオープンキャンパスに合わせて行われた当別講演会で、美馬のゆりさんによる「科学する心、未来をつくる力」と題した90分間の講演です。

111029cimg9217  工学部キャンパスには、様々な屋台が出、美味しい臭いが漂い、イルミネーションで飾られた自動車が展示されていたり、屋外ステージではバンドの演奏が行われています。

 工学部の建物の中では、様々な研究室が、その研究成果の一端を、模型やパネル、実演によりわかりやすく? 説明をしていました。

 特別講演には、高校生男女の参加もあり、高校生への理系、特に女性の理系への進路、リケジョへのエールを意識した講演でした。

111029fitcimg9168  まずは、美馬さんがなぜ理系を志し、コンピュータ、教育、心理学へと興味を持ち、研究を進めてきたのかの紹介があり、その中では、初めて大型コンピュータと出会った時のIBM見学時の入場券を今でも持っていること、「自分の進路を決めた記念の品は大事に持っておきたい」、そんな話で始まりました。

 研究に大事なのは、「アイデアビジョンインパクト」であること、自分にあった学習スタイルを知るためのVAKT嗜好テストの紹介や、キャリア選択の話などがありました。

 AVKT嗜好テストとは、次の12の質問から自分のタイプを知ろうとするものです。詳しくは、特別講演の内容をまとめたメモを参照ください。

 1.頭にものごとをはっきり描くことができる
 2.ノートには、たくさんの絵やグラフが描かれている
 3.テスト中、頭の中に教科書の正答のあるページを思い出すことが出来る
 4.本を読むとき頭の中で音韻化するか、あるいは声に出して読む
 5.本で読むよりCDなど音声で聞く方が好き
 6.問題解決や何かを書いているとき、頭の中で自分に話しかける
 7.音楽がかかっている方が集中できる
 8.机や本棚、タンスが散らかっている
 9.勉強しているときも動きまわるのが好きで、その方が考えられる
 10.ノートへの落書きで勉強に集中できる
 11.考えているときは、ペンやほかのものをいじる
 12.服を選ぶとき、生地の着心地が最も重要だ

 自分のキャリア選択にあたっては、先入観にとらわれることがないよう、また、世界では多様であることの重要性が認識されており、そんな世界では女性や理系は有利であり、活躍の場があり期待されている。

 また、
  ・日本語が話せる日本人が世界に出ることで有利に働く
  ・「もったない」の心は世界にはない心
  ・女性の少ない理系では女子は有利
  ・新しい世界に飛び出そう!

と言った話もありました。

111029cimg9209  最後は、「個人の幸福と世界の幸福の両方を実現できるのが理系という生き方」、「未来を予測する最良方法は、未来をつくることである」との言葉で締めくくられました。

 未来は予測するものではなく、つくるもの。

 それをつくれるのは理系である。

 物事を探求し、未来を創ることが出来る理系へのエールで締めくくられました。

 特別講演会の様子をまとめました。
「111029_science.pdf」をダウンロード (515KB)

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